高輪ゲートウェイ駅 EKI PARK

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所在地:東京都港区港南2丁目1 高輪ゲートウェイ駅構内

企画:東日本旅客鉄道

プロデュース:東邦レオ 

設計:TAAO 會田倫久 +スタジオキノコ

施工:デザインアートセンター

人工芝カバーデザイン協力:HATRA

3D木切削加工:VUILD

植栽 : 東邦レオ

竣工:2025年3月

写真:長谷川健太

3D render:studio anettai

 駅の未来を通してこれからの街づくりを考える東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、品川エリアの開発プロジェクトについて街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」とし、駅を中心とした街づくりを掲げて2025年3月に開業を迎えた。JR東日本は、TAKANAWA GATEWAY CITYを100年先の心豊かなくらしのための実験場と位置付け、パブリックスペースには東海道五十三次に着想を得た「53 Playable Park」と呼ばれる駅や広場からなる遊び場(Park)を計画。南北約1km以上にわたって、駅・街が一体となった多種多様なParkが生まれている。

「53 Playable Park」の代表的なParkの1箇所として選ばれた高輪ゲートウェイ駅では、その名の通り、駅が公園のような日常の憩いの場として利用される未来を目指し、駅を〝公園化〟するプロジェクトが始まり、TAAO+studio KINOKOで公園及び共用部什器の設計を担当した。

 高輪ゲートウェイ駅の平面計画は、南北のウィングに改札が集約配置されており、地上1階に配置されたホームから2階のラチ内コンコースへ上がった旅客がすぐに西側の街へを抜けられる直感的かつ合理的なものであった。一方で、ウィング間を繋ぐブリッジエリアは人通りもまばらで、ゆったり開けた広場状の空間が認められた。この場所を公園とすることとした。駅を公園化するにあたり、第一に必要とされたのは、駅の安全性・従来の清掃メンテナンス性の保持、そして第二に公園に求められる自由な振る舞いとイベント時の場所のフレキシビリティであった。鉄道運行を滞りなく行うことが至上命題である駅舎では、メンテナンスや日々の清掃においても念入りな安全対策と場合によっては大規模な仮設計画の段取りが必要となることから、それらを妨げるような一切の構造物を床面に固着して設置することが難しい。

そこで考案したのが、可動式公園ユニット〝EKI Park〟である。〝EKI Park〟は2m角の正方形のユニットであり、芝ユニットとデッキユニットで構成される。芝ユニットは、成形ウレタンの上に防水被膜を施し3D裁断を施した人工芝を張り込んだもので、まさに持ち運べる芝生の床である。防水被膜と人工芝がウレタンの変形に追随することで、腰を下ろすと公園の芝生のような柔らかい座り心地を楽しめる。デッキユニットは、駅の主要木材の1つである国産の杉材を用いたボックス型のデッキで、下地仕上げ共に耐水仕様であることから、両ユニット共に屋外でも使用可能である。また、ユニット同士の固定としては巾木部分にベルクロテープを全周に回しこみ、隣り合うユニットを緊結。数ユニットをまとめて束ねることで十分な自重を確保するし、不特定多数の人が利用する駅構内の什器に期待される安定性を確保した。これもTAAOで近年取り込んでいる、作りを知ることで運営側が特殊な工具や金物を使用せずとも固定分解ができるアクセシビリティの高いディテールデザインである。これらのユニットは組み方を変えることであらゆるイベントに対応可能なほか、複数個を持ち出して組み合わせることでポップアップ的に駅や街に小さな公園を作り出すことも可能である。 

また、TAKANAWA GATEWAY CITYのまちびらきに合わせて駅の乗降客数が今後伸びてくることが予想されたので、改札前のラチ内コンコースにおいても滞留スペースの追加が必要となった。左右のウィングは、旅客の動線空間である一方、飲食店舗や駅のユーティリティ機能に面した待合い的な性格も兼ね備えていたことから、複数人で利用できる大型のベンチやハイテーブルを設置した。各什器は、ShopBot®︎を用いて3D切削を行った国産杉材のパーツを組み合わせたつくりとし、高輪ゲートウェイ駅に期待される新たな技術を楽しみ取り入れる姿勢と駅に求められる木の温かみを両立するデザインとした。

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